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三十路前のつっこみ、愚痴、疑問、何でもアリ。 記事の無断転載はお断りします。
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少し前のニュースで恐縮ですが、学校の「指導」について最近思うこと。

卒業目前…女生徒2人“退学” 「教師に暴言吐いた」 県内の私立高 (キャッシュ)

処分理由について、学校側は「普段から生徒の教師に対する反抗的な態度は目に余った。繰り返し注意したが、態度は改められなかった。教育活動を妨害したため、やむを得ず排除した」と説明。複数の教師に対する「暴言」と、これまでの生活態度を加味した総合判断だったとする。事実上の退学処分だが、2人の就職や進学にも配慮して「転学」という形にしたという。


一見、妥当な判断であるようにも見えるけど、


大分大の山崎清男教授(教育経営学、教育行政学)は「処分の妥当性は学校独自の基準によるため第三者が判断するのは難しい。処分の結果だけではなく、そこに至るまでの指導の積み重ね、プロセスが大切。最終的な処分決定に至るまで、警告や謹慎など、生徒に分かりやすい指導を学校はどれだけ重ねただろうか」という。

 たとえば、今回の処分の背景には「これまでの生活態度」がある。学校側は2人に「授業中にあぐらをかく」「教師に向かって『うるせー』」などの問題行動があり、再三指導したとする。これに対し、2人は「授業中に注意を受けたことはあったが、先生から呼び出されて注意を受けたことなどはなかった」としており、両者の認識にはかなり開きがある。

 2人はこれまで謹慎などの処分を受けたことはなく、3年生になってからは無遅刻、無欠席。生徒、父母、教師による三者の話し合いなどもなかったという。


戒告や謹慎などの「前フリ」もなくいきなり転学という「オチ」では誰だって納得できないわな。
犯罪行為を犯したわけでもないわけだし。

経験上、きっと先生たちもかなり手を焼いてたんだろうな、と察する。
“職員会議でもほとんど異論はなかった”らしいし。

でも、だからこそ、教師みんなできちんと指導をすることで、その痛みを生徒とも分け合いながら育てていくべきだったと思う。
生徒が従うかどうかは結果論として、「何もしない」のは教育の中で悪だと思う。


こんなニュースが流れる一方で偉い人たちは―。

いじめた生徒は出席停止に…教育再生会議が緊急提言へ (キャッシュ


いかにも現場を知らない人間が考えそうな愚案。

いじめっ子は普通、単独ではなくグループとしてクラスや学年に複数存在するもの。
残念ながら教師の目線からは気付きにくく、彼らは悪い意味で「利口」。

そんな彼らが出席停止と言われたところで、逆に喜ぶのではないだろうか。
何時間も椅子に座ってつまらない授業を聞かなくてすむのだから。
よっぽど学校が好きな子でない限り、“出席停止”は“学校に来てはいけません”ではなく、“学校に行かなくていい”を意味する。
また、通常、出席停止=家庭謹慎、つまり家庭での家族の監視下に置かれるのが原則(のはず)だが、共働きや母子家庭の多い昨今、彼らの面倒を見ることのできる大人は確実に存在するのだろうか。

仮にいじめっ子にとって出席停止が苦痛だったとしても、謹慎解除後、謹慎中の鬱憤を晴らすために新たないじめが発生する可能性は否めない。


あくまでもるぱん個人の予想であり、全ての事例について当てはまるとは言い難いが、いずれにしても、出席停止は大人の「逃げ」に過ぎない。
教師だけで解決しようとしてはいけない。
出席停止にして家庭に押し付けてはいけない。
学校という場で、保護者にも可能な限り来校してもらいながら、通常の勉強を怠ることなく、管理職も含めて全教員で指導に当たるべきだと思う。


―なんて思ってたらやっぱり手のひらを返したように、

「出席停止」見送り 教育再生会議、いじめ問題緊急提言キャッシュ

少しだけ安心したのも束の間、

提言は主に教育委員会や教職員に対し、いじめ防止を目指すための対応を要請。いじめた側の児童・生徒に対しては「指導、懲戒基準を明確し、毅然(きぜん)とした対応をとる」よう求めており、社会奉仕や個別指導、別教室での教育などを例示した上で、全教員が一致して対応する必要性を明記した。


この点に関する産経の社説より。

いじめの事実が把握された場合、まず、いじめられている子といじめる側の子らを切り離す必要があるが、それだけでは解決にならない。問題児童を立ち直らせるためには、社会奉仕などを通じて人々の役に立つことの大切さを実感させる必要があろう。


こういうことに社会奉仕(ボランティア)を持ち出すのは止めてほしい。
自らが進んで行うならともかく、いじめっ子に強制してしまったら、無欲で社会奉仕に興味を持って行っている大部分の子どもたちが、“罰でやらされているのか”と白い目で見られてしまう。
社会奉仕は非常に大切なことだが、教育の道具として濫用すべきではない。

加害者をどう処するかよりも、被害者になった子どもたちにもっとお金と時間と愛情を注いであげてほしい。
転校を希望した場合の手続きのスムーズな運用や必要経費の援助、スクールカウンセラーの育成・増員などなど。
偉い人たちは「慎重に審議する」のがお好きなようだが、こんなことは慎重どころかどんどん話を進められるはず。



がんばっている子どもたちはたくさんいる。

彼らのために、大人はもっとがんばってあげないといけない。
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半分ほど読んだが
謹慎処分になるようなことしてるのに、親が放置なのが悪いな。
なんでもかんでも学校のせいにする生徒の親・そう仕立てあげるマスコミが悪い。
(`・ω・´) 2006/12/06(Wed)00:12:23 編集
いろいろ考えられるけど
親は、学校が何とかしてくれると思ってる。
学校は、親がちゃんとすべきで、学校としては卒業さえしてくれたら、と考える。
そんなエゴの狭間に置き去られた子どもはある意味で被害者であり、かわいそう。
もちろん、してはいけないことに対しては罰を与えなければいけないけど。

マスコミも、起きた出来事を大げさに騒ぎ立てるだけじゃなくて、「だからこんな政策が必要だ」っていう意思表示・啓蒙をしてほしい。
るぱん URL 2006/12/06(Wed)00:48:29 編集
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プロフィール
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るぱん
年齢:
45
性別:
男性
誕生日:
1980/02/08
職業:
音響・照明スタッフ
趣味:
音楽鑑賞、音楽制作
自己紹介:
倉敷出身、倉敷在住。
水瓶座、O型。
右投げ右打ち。
元高校教師・塾講師。
ギタリスト。
シャ乱Qに心酔。
ルパン三世に夢中。
大石昌良、奥村愛子に共鳴。
99、中川家、大好き。
東京ダイナマイトに大好き。

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